2015年5月13日水曜日

東大寺大仏殿金堂

盧舎那仏が納められている大仏殿は仏教建築としては金堂になります。

大仏は752年の開眼から全高こそ変わらないのですが元禄の1692年のものが現在のものです。

最初の大仏殿は758年竣工なのに江戸時代の竣工は1709年と大幅に遅れています。
これは奈良時代が国家事業だったのに対し江戸時代は寄進によっていたこともあるのですが建造に必要な巨木が当時ですら不足していたのも原因です。
このため全高は変えられないもの建物の幅を3/4に縮小されています。
しわ寄せは柱にも来ており、一本の木ではなく集成された柱になっています。
従って釘とタガが見えています。
柱で有名なのは大仏殿右奥の柱の穴で、大仏様の鼻の穴と通称されるもので30センチ×37センチあります。
「通ると幸せになれる」という縁起物で開けている穴ではなく大仏の鬼門側にあるので邪気がたまらないように穴を開けたといわれています。

木は燃えれば失われますが石は残りそうなものです。
意外と改修の度に石も手入れしています。

甍の上で目を引くしゃちほこのようなものは鴟尾という縁起ものです。
魚の尾を意味しており水により火災から守られることが目的です。
唐招提寺のものもよく知られています。

軒を支える構造は斗組(ますぐみ)などといいます。
荷重を分散する工夫といいます。

軒の先に下がるのは風鐸という巨大風鈴です。
これが鳴る風は相当なものだと思います。

唐破風の下には扉があり日頃は閉じています。
一般には年越しの時に開かれ中門から顔を拝むことができます。



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