2015年8月2日日曜日

アンティークの世界

先日、お茶をした時に夏休みでロンドンから帰国した店の古馴染みの方に実に面白い話を聞きました。
職業はロンドンでアンティークの売買だというのですごく怪しそうですが、実家は骨董屋だというのでむしろサラブレッドなのかもしれません。
扱っているのは主に日本が輸出した古い磁器でオールドノリタケあたりが専門だそうです。
専門以外のものはプロとはいえ不勉強では騙されて当たり前の世界で、反面、素人さんは騙しちゃいけないのが辛いところ。

ノリタケの輸出先は米7割英3割と偏っているのも面白いです。
頼りにするのはマークなのですがノリタケだけでも110種類あると言われ素人では如何ともしがたいです。








ヤジロベエといわれるアジア仕様
森村組の「M」でアメリカ向けだそうです

全部ノリタケのマークです。
山口のフリーマーケットで見ただけでこれです。
しかもアメリカ向けは原産地証明が厳しいため「JAPAN」表記を求められたので「NIPPON」とあるのは初期の輸出品に限られ、のちまで「NIPPON」表記が残ったイギリス向けはマークが違います。
これらの中からオールドノリタケを見分けるのが骨董屋の情報量です。
売り手と買い手の情報もないと成り立たない世界ですから遊びに金を使える層が大幅に減った今の日本では苦しいのかもしれません。
ロンドンで買い付けて日本に送っても今は円安で値段が厳しくなります。
とはいえロンドンも物価は高くレストランで食事をすると税金やチャージですぐ1万円は飛んでしまいます。
しかもイギリスの料理はうまくないことで有名なのです。
SOHO地区を中心に十店ものとんこつラーメンバトルが起きたのはそんな背景がありますが驚くべきことに一杯二千円もします。
アパートも家賃20万円なんて当たり前なのでシェアハウスも当たり前です。
それでもロンドンをベースにヨーロッパで活躍する人が多いのはハブ空港があることと医療費がタダだということが大きそうです。
ただし、医者はものすごく待たされるようですが。