2019年7月21日日曜日

釣水の穴

釣水の穴は山口県美祢市美東町赤にある湧水です。
日頃は水が溜まっているものの流出はしていないので池のように見えます。

泥が埋めるので正体はわかりにくいですが実は鍾乳洞です。
1994年に山口大学が調査に入っています。
雨が長く降らないと水位が下がり竪穴なのが分かります。
極端な干ばつだった1809年(文化6年)には水がなくなってしまい村人が中に入ると18メートル四方の河原が広がっていたと伝承されています。

逆に大雨になると穴から水が噴き出し地域を水浸しにしてしまいます。
秋吉台上に降った雨がこの穴を含んだ地域の噴出穴から石灰山が崩れて埋めたここのポリエという地形に出てくるのです。

川はあるのですが排水が悪いためですが、逆に白魚洞という吸い込み穴もあり地中にあふれた水が吸い込まれていきます。

吸い込まれた水ははるか遠くの秋芳洞から吐き出されます。


2019年3月3日日曜日

博多駅地下朝食

博多駅の地下街は博多口の博多駅地下街、博多1番街、アミュ地下、阪急地下、KITTE地下とデイトス地下をハカタ9地下道が接続して形成されています。
阪急の地下は開店が遅いですが飲食店には7時と8時に朝食を提供する店がかなりあります。

博多駅地下の朝定チャンピオンは1番街の朝7時に開く「たんや」です。
朝から牛タンが税別500円で食べられるので時間帯いっぱい行列が途絶えません。

「たんや」のとなりが「大福うどん」です。
同じ1番街に「因幡うどん」もあるので競争は熾烈です。
デイトス地下にも「因幡うどん」はあります。
デイトス地下にはガチの和食の「石蔵」もあり、あさから鯛茶も提供されています。
同じ並びに「とんかつ浜勝」もありますが、さすがに焼き魚定食です。
デイトスの4店目はクロワッサンサンドのカフェ系です。

カフェ系ではフランスに200店を構える「Brioche Dorée」(ブリオッシュ・ドーレ)がKITTE地下に出店しています。

KITTE地下には「スターバックス」も7時から開いています。

九州唯一の「HONOLULU COFFEE」でパンケーキもいけます。

KITTEから1番街にかけてのカフェとしてはマクドナルドが王者として君臨していますし、「PRONTO」もあります。

 途中の「Seattle's Best Coffee Japan」は九州に強いです。
沖縄が本拠の「DOUG'S COFFEE」はハカタ9にあります。

和定食の店はほかにもあります。
 もちろん「サンマルク」のようなオムレツ系もあります。

今時らしいのは、お粥の専門店が7時からやっていることでしょうか。

意外と駅地下では朝食でラーメンは食べられませんし皮焼きの店もありません。
「たんや」の例を考えると朝食のタブーは意外とないのかもしれません。
ちなみに朝カレーは「たんや」がすでに投入しています。
「特選ゆでたんカレー」が頂点で、牛タン単品もオーダー可能です。
どうぞ朝早くに博多駅地下に行った際は悩んでください。

2018年1月27日土曜日

中国のシェア自転車事情とその底流

中国は中華四千年などとのんびりしたモノではなくなり21世紀、特に私が個人的に見聞きできた2010年以降は変化の速度に加速がついています。
マーケットは3か月で変わると言われ、半年も長期渡航すると中国人ですら困惑することがあります。
これは日本のようにルール整備をしないで、いきなりマーケットに投入して後でルールを作るからで、一気に市場を押える構成力・経済力・生産力を持つ現代中国ならではと言えます。
最近では先述の電子マネーやシェア自転車が好例で特にシェア自転車は街の景色が変わるので旅行者でも気が付きました。
2016年4月からシェア自転車サービスを立ち上げたMobike(摩拝単車)の順調な滑り出しにofo(北京拝克洛克科技)が追随し、2016年後半にはシェア自転車ブームが到来し数十社が乱立します。



これを受けたガイドラインが2017年9月に発行したため、2017年末にはそのほとんどが撤退し、Mobikeとofoが95%を占めるサービスに収斂しました。
この間で元々自転車に寛容で歩道に駐輪スペースが多かった中国都市部ではシェアサイクルが歩道を埋めるほどの状態になり市街景観を変えたのでした。
その台数は2016年に10万台だったがまもなく乱入で200万台に膨れ上がり2017年には2000万台も供給され200万台が廃棄されたといわれています。

この盛況を見て日本にもシェア自転車導入が2018年に本格化しそうですが、中国で成功した背景が分かっていないと日本は中国製自転車捨て場になります。
中国では通勤費の支給がなく、バス運賃の2元に対してシェア自転車が30分1元だったというのが根底にあるからです。

電子マネーも実はサービス開始はAlipay(支付宝)アリペイが2004年12月に電子マネーサービスを開始していますが、普及とはいい難い状況でした。
しかし2013年に年利 6%前後の利回りの投資商品「余額宝」を販売開始し1年で1億件の電子マネー口座開設成し遂げたところから快進撃が始まります。
2017年には1兆元もの資金調達に成功し、余額宝の枠を大幅に縮小しましたが中国人はもはや電子マネーなしの暮らしには戻れません。

同じ手法が日本で有効とは限りませんがサービスの外形だけを持ち込んでも成功するはずはないです。

2017年12月30日土曜日

中国の電子マネー事情

中国に出張するようになって6年になりますがあまりの変化の激しさに目が回ります。
2017年にともかく目立つのがレジの二次元バーコードです。
これを客が自分のスマホで読んで金額を入力し店に確認してもらい発信するとお互いの銀行口座で指定金額のやり取りが行われます。
これが中国の電子マネーです。
凄いのは流行りのショッピングセンターはもちろん露店や生鮮市場にも浸透していることです。
 
20代だと財布を持たない人までおり、ほとんど電子マネーで決済するようです。
中国の電子マネー利用経験率は98%以上といわれ、周囲で見聞した範囲では実際の決済でも半数以上は電子マネーのようです。
支払う方は小銭から解放され、売る方は偽札防止やレジ締め省略ができ手数料もクレジットより格安です。
決済用の口座に決めた金額だけ置いておけば使い過ぎや詐欺も防げます。

日本人は中国の銀行口座を持っていないので基本的に中国の電子マネーを持てません。
メジャーなのは先発のAlipay(支付宝)と後発のWeChat Pay(微信支付)で支付宝は2018年春から日本でサービスが始まるといわれています。
中国で何かしようとすると何かと電子マネーが必要になるのでサービスの動向が気になります。

2017年5月13日土曜日

切籠切窓

山口県の長門峡の下流はそのまま阿武川ダムに流れ込みます。
生雲川との合流点近くに「切籠切窓」という岩がそそり立っているのですが最近その由来が正確に伝わらなくなっています。
切籠という岩と切窓という岩があるというのがその代表的なものですが、事実はシンプルです。
その昔、この岩の上にはさらに岩が乗っていてこの岩には驚くべきことに窓状に穴が開いていたのです。
また、岩自体に溶岩の性質からか直交した割れ目が籠を思わせるように見えていたので「切籠切窓」という名称になりました。

大変分かりにくい写真ですがダム水没を機に整備された阿武川歴史民俗資料館に資料があります。
現在の岩の上部にさらに岩が乗っていたのが分かります。
この奇岩を景色として愛でるための寺が切籠切窓と川を挟んだ田中義一の菩提寺である発昌寺ですが現在は荒れ寺です。
切籠切窓崩壊の日付は分かりませんでした。
2009年にはすでに窓はありません。
どのように窓になっていたかはトンネル上部の岩で想像できます。
資料によると右が切籠で左が切窓となっています。
実際はこの角度で写真は撮れないので下の感じです。

これが切籠ということになります。

2017年3月30日木曜日

宇治上神社

2017年3月10日に朝も早くから京阪本線でまた南に向かったのですが今度は宇治です。
8時に宇治駅に着いていますが平等院の門が開くのは8時半なのでまずは宇治上神社に行きます。
宇治上神社は現存する最古の本殿といわれる世界遺産です。
見慣れた神社とかなり形式が異なるので背景の山や横の岩が御神体かもしれません。
これが天降岩とか岩神といわれる石です。
隕石ではなさそうです。
盛砂で知られる拝殿も国宝です。

おそらく、元々は鳥居もなかったと思われますし、神社の前に川を配し橋を渡って神域にはいるのも伊勢を思わせます。
手水舎もなく湧水に小屋掛けがしてあります。
定型から外れた神社は何らかの理由を感じるのですが、ここは伊勢・出雲とも異なる古式を感じます。
近くだと松尾大社や遠くだと出雲御室山の布須神社みたいな感じです。

参拝の上で気を付けなければいけないので別に「宇治神社」もある点です。
こちらも重要文化財ですが宇治上神社よりも平等院に近いので勘違いがありえます。

2015年8月2日日曜日

アンティークの世界

先日、お茶をした時に夏休みでロンドンから帰国した店の古馴染みの方に実に面白い話を聞きました。
職業はロンドンでアンティークの売買だというのですごく怪しそうですが、実家は骨董屋だというのでむしろサラブレッドなのかもしれません。
扱っているのは主に日本が輸出した古い磁器でオールドノリタケあたりが専門だそうです。
専門以外のものはプロとはいえ不勉強では騙されて当たり前の世界で、反面、素人さんは騙しちゃいけないのが辛いところ。

ノリタケの輸出先は米7割英3割と偏っているのも面白いです。
頼りにするのはマークなのですがノリタケだけでも110種類あると言われ素人では如何ともしがたいです。








ヤジロベエといわれるアジア仕様
森村組の「M」でアメリカ向けだそうです

全部ノリタケのマークです。
山口のフリーマーケットで見ただけでこれです。
しかもアメリカ向けは原産地証明が厳しいため「JAPAN」表記を求められたので「NIPPON」とあるのは初期の輸出品に限られ、のちまで「NIPPON」表記が残ったイギリス向けはマークが違います。
これらの中からオールドノリタケを見分けるのが骨董屋の情報量です。
売り手と買い手の情報もないと成り立たない世界ですから遊びに金を使える層が大幅に減った今の日本では苦しいのかもしれません。
ロンドンで買い付けて日本に送っても今は円安で値段が厳しくなります。
とはいえロンドンも物価は高くレストランで食事をすると税金やチャージですぐ1万円は飛んでしまいます。
しかもイギリスの料理はうまくないことで有名なのです。
SOHO地区を中心に十店ものとんこつラーメンバトルが起きたのはそんな背景がありますが驚くべきことに一杯二千円もします。
アパートも家賃20万円なんて当たり前なのでシェアハウスも当たり前です。
それでもロンドンをベースにヨーロッパで活躍する人が多いのはハブ空港があることと医療費がタダだということが大きそうです。
ただし、医者はものすごく待たされるようですが。